東京・北千住は下町の飲み屋街としても知られるが、実は隠れたいい和菓子屋が多い。 槍かけだんごの「かどや」、「ひので家」「たから家」などなど。 私が昔大好きだった最中の「なか井」は16年ほど前に後継者がいないという理由で廃業してしまった。いまだに惜しまれる。 今回ご紹介するのは、隠れた名店の中でも飛び切りの和菓子屋「和歌藤(わかふじ)」です。 うかつなことに、6年ほど前にふらりと入ったら、豆大福は売り切れていて、どら焼きが数点残っているだけだった。 まずまずの美味さだったが、その時はなぜか特出するものを感じなかった。 あまりにシンプルな店構え。のぼりが一本だけ。 どこか隠者のような、踏み込むこと…