澄み切った青空の下、咲(さき)は 庭いっぱいに広がる花畑に足を踏み入れた。 春の息吹を感じさせる、色とりどりの 花々が太陽の光を浴びて輝いている。 咲は、いつも通りのように、 それぞれの花に顔を近づけ、その甘い香りを深呼吸する。 咲は、花が大好きだった。 図鑑で花の知識を深めるのも好きだったが、 それ以上に、実際に花に触れて、 その美しさや生命力を感じることが好きだった。 ある日、咲は古いノートを見つけ、ひらめいた。 図鑑を自分で作ってみよう! そう思った咲は、早速庭に咲く花を一つ一つ観察し始めた。 花びらの形、色、そしてその花が咲く季節。 咲は、それらの情報を丁寧にノートに書き込み、 集めた…