はるか昔から、お城の天守閣には2匹の金のシャチがいました。 太陽の光を浴びて金色に輝くのが金さん、 月の光を浴びて銀色に輝くのが銀さんです。 2匹はいつも寄り添い、 町と、そこに暮らす人々を静かに見守っていました。 彼らは、ただの飾りではありませんでした。 金さんは勇気を、銀さんは希望を象徴し、 その輝きで人々の心を照らし続けていたのです。 町に平和が訪れると、彼らの輝きは穏やかになり、 人々の幸せを祝福するようにキラキラと光りました。 ある年のこと、この町に前例のない大きな嵐がやってきました。 家々は壊され、田畑は荒れ、 人々は心の拠り所を失い、深い悲しみに包まれました。 空は厚い雲に覆われ…