「俺にとってロックンロールは、ただの音楽じゃない。生き様そのものだ。」 彼はそう言って、くしゃくしゃになったタバコを深く吸い込んだ。 年の功を感じさせる深い皺が刻まれた顔には、 数えきれないほどのステージで浴びてきた スポットライトの残像が焼き付いているようだった。 「初めてギターを手にしたのは、15の時だったな。あの頃の俺は、何にも縛られたくない、自由になりたいって気持ちでいっぱいだった。学校も親も、社会のルールも、全部クソだと思ってた。」 彼は遠い目をして、天井の染みを見つめる。 「そんな時、ラジオから流れてきたのが、エルヴィスの『ハートブレイク・ホテル』だった。あの瞬間、俺の人生は完全に…