幕末維新史への招待 山川出版社 Amazon 幕末史はわかりにくい。「開国」と「攘夷」、「公武合体」と「倒幕」、といった対立関係がいつの間にか逆転したり入れ替わったりしてしまうため、私のような素人には展開の因果関係が容易には理解できない。「何でそうなるの」と言いたくなるようなアクロバティックな展開が続く激動の時代である。 「幕末維新史への招待」(町田明広 編/山川出版社)は、国内外の資料の精査による幕末研究の到達点として、「誤った「通説」から新しく正確な知識へ」という標題が示すとおり新しい幕末観を提示している。 この本で最も蒙を啓かれた思いがしたのは「国持大名」(くにもちだいみょう)に関する記…