これはかなりの力作で、凄い本であると思いました。 スターリンの極東戦略 1941-1950:インテリジェンスと安全保障認識 作者:河西陽平 慶應義塾大学出版会 Amazon 随所に、これまでにない新たな知見がちりばめられており、東アジアの近現代史、1945年前後の国際関係史に関心を持つものに取って必見の本であると思う。 本書は、帯に書いてあるとおり、スターリン率いるソ連は、極東情勢の変容をどのように認識し、いかなる軍事・外交戦略を採用するに至ったのかを、近年公開されたロシア語資料を中心に使って論じるものである。 主に使用しているのはロシア語資料や研究であるが、巻末の文献目録を見ると驚くのは、中…