複数のルートで、日本各地に伝播した火縄銃。前記事でも触れた通り、日本の鍛冶屋は日本刀によって培われた鍛鉄技術に秀でていたから、すぐに技術を習得、各地で鉄砲生産が始まった。国産の第一号が造られたのは、種子島である。関の出身であった鍛冶師・八坂金兵衛が試作に成功したのが1544年だとされている。それとほぼ同じタイミングもしくは少し遅れる形で、根来寺の門前町である西坂本において、津田監物と芝辻清右衛門が火縄銃の試作に成功している。 種子島開発総合センター鉄砲館蔵「伝八坂金兵衛作火縄銃」。代々、種子島家に伝わってきた、国産第一号と推測される火縄銃。先の記事で紹介した、1549年6月に発生した「黒川崎の…