東日本大震災の発生当時、私は20代で福祉作業所の利用者でした。その頃の私はというと、その作業所を『ついの住処』と決めて、職員からの「就職しないの?」という言葉に断りを入れながら作業所を利用していました。 そんなときに起きた、あの大きな地震。そして、大きな津波、失われた沢山の生命……。「人生、いつ終わる(死ぬ)か分からない」。そう強く思いました。 当時、私には好きな人がいました。その人は作業所の職員でした。年月が経った今でも、「あの人が今までの人生の中で一番好き」と言えるくらい好きな人でしたが、私は利用者、相手は職員。恋愛対象として見てもらえませんでした。 季節が巡って秋になった頃、ひょんなきっ…