大かたに 花の姿を見ましかば つゆも心の おかれましやは 詩を披露する美しい源氏をご覧になった藤壺の宮が 思い浮かべた歌🌸 〜純粋な気持ちで 花のように美しいお姿を拝するのであったなら 少しも気兼ねなど いらなかっただろうに。 【第8帖 花宴 はなのえん】 中宮はすぐれた源氏の美貌がお目にとまるにつけても、 東宮の母君の女御がどんな心で この人を憎みうるのであろうと 不思議にお思いになり、 そのあとではまたこんなふうに 源氏に関心を持つのもよろしくない心であると思召した。 大かたに 花の姿を見ましかば つゆも心の おかれましやは こんな歌はだれにもお見せになるはずのものではないが、 どうして伝…