本願寺・第10世宗主である証如はこの時17歳で、教団の実権はその祖父であり後見人でもあった、蓮淳が握っていた。細川晴元と組んで、一揆の蜂起を決定したのもこの蓮淳であったが、今や暴走する一揆をなんとか制御下に置こうと、悪戦苦闘する始末。しかし一向一揆の暴走は収まらない。 一方、新たに幕府を統べる立場となった晴元にしてみれば、そもそも自分が蒔いたタネがこうした事態を引き起こしたわけで、一刻も早く事態を収拾する必要があった。 細川晴元は一向一揆を見限り、その殲滅を目論むことにする。その動きを知った蓮淳は激怒、一揆を鎮める方向から180度方針転換する。8月2日、今やはっきりと敵に回った晴元の本拠地であ…