太田命

青森県北津軽郡板柳町横沢字西岡部の路傍（訪問日：2023年9月3日）横沢集落の南口、字花岡と接するところに木々の生い茂る場所があります。石鳥居もあるため社叢と言っても差し支えないと思います。鳥居は2基あり、それぞれ神格の異なる神さまを祀っています。今回の記事では左手のものを掲載します。こちらには計3基の庚申塔が安置されています。中央に見える庚申塔は、津軽地方の庚申塔の特徴や民俗的な意義を考える上で、特に重要な銘文を残している貴重なものです。文字庚申塔（石造庚申塚塔）① 刻銘「嘉永七甲寅年三月廿一日(1854) / 庚申塚」 自然石型、彫像（日天月天、瑞雲） 文字庚申塔② 刻銘「慶應二丙寅年三月…

青森県青森市油川字大浜の熊野宮（訪問日：2023年9月18日）津軽地方最古と伝わる庚申堂が建てられた地です。境内には複数の庚申塔が置かれており、いずれにも賽銭袋が掛けられています。文字庚申塔（太田命塔）① 刻銘「文政五壬午年八月十九日(1822) / 森内三之丞(以下人名略) / 大田ノ神」 自然石型、彫像（日天月天、瑞雲）文字庚申塔（猿田彦大神塔）② 刻銘「(紀年銘不詳) / 願主今村萬太郎世話人館田金助今村留吉三泉 / 猿田彦大神」 自然石型、彫像（日天月天、瑞雲） 無銘の石塔。並び的にこれも庚申さまでしょう。 青面金剛像庚申塔 刻銘「(銘不詳)」 御尊容（立像、一面六臂、宝剣・ショケラ型…

青森県青森市飛鳥字岸田の飛鳥羽黒神社（訪問日：2023年9月18日）JR津軽線の線路沿いに鎮座する神社です。境内の隅、社殿の左手前に人工池があり、そのぽこっと出っ張った畔に馬頭観音塔が安置されています。馬頭観音塔（馬像付馬頭観音塔） 刻銘「(紀年銘不詳) / 馬頭観音」 舟型、彫像（二馬像）馬像。二体の馬が向かい合っています。 今度は社殿の右側、十和田神社などの境内社の並ぶエリアがあります。そこの右端、ブロック塀に囲まれた祠の中に庚申塔が納められています。文字庚申塔（大田命塔） 刻銘「文政五壬午八月十九日(1822) / 飛鳥村中 / 大田ノ神」 自然石型 同じ祠の中に納められていた石塔。「猿…

青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩増川の稲荷神社（訪問日：2024年9月21日）三厩駅から北方に伸びる道を進み、分かれ道を左に、そして橋を渡って道なりに進んだ左手に鎮座しています。鳥居の向かって右側にコンクリート製の台石を伴った庚申塔があります。こちらは太田命を主尊（祭神）に据えたもので、「太田神」主銘の庚申塔としては津軽地方最北、ひいては本州最北にあるものと言えます。まだ完全な調査が及んでいないため、暫定的ではあります。文字庚申塔（太田命塔） 刻銘「(紀年銘不詳) / 太田ノ神(太田神?)」 自然石型、彫像（日天月天、瑞雲） 碑のそばにも複数の石塔（と呼ぶにはほど遠い自然石）が乱雑に置かれています。…