ぼくが1年生だったときの冬は とくべつでした。 そのときのことをおもいだすと、 うちの人がみんなニコニコしだすのです。 お母さんなんか、 ぼくのおでこをゆびでピンとはねたりします。 雪のかえりみち/藤原一枝❄作/はたこうしろう❄絵/岩崎書店 朝は少しだけ降っていた雨が、学校にいるうちに大雪になります。 初めは友達と雪合戦をしてうれしかったのですが、 ひとりで学校から帰る道は、なかなかバスが来なくて心細くなってきました。 手のさきと足のさきがジンジンしてきました。 手ぶくろはないし、くつは雪がしみこんでいます。 雪はぼくをめがけて、あとからあとからふってきます。 まわりにはぼくのような子供はいな…