小学3年生以下の子どもを自宅に残したしたまま保護者が外出することなど、放置を禁止する虐待禁止条例の一部改正案を埼玉県議会に提出した自民党県議団は10日、「県民はもとより全国的に不安と心配の声が広がった」などとして改正案を取り下げる方針を明らかにしました。 自民党県議団 田村琢実団長「私のことば足らずで県民はもとより全国的に不安と心配の声が広がり、多くの県民、団体などからさまざまな意見をもらった。改正案は現状と乖離があるとは考えていないが、私の説明不足によって乖離を生んでしまい、理解を得られる状況ではないと判断した。県民に心からお詫びする」 埼玉県議会「子ども放置禁止」条例の波紋 留守番は虐待?…
条例の一部改正案が取り下げられることについて、埼玉県の大野知事は1000件を超える反対意見が寄せられていたとして「県民の声は極めて重い。撤回されることは歓迎したい」と述べました。 また、今回の改正案の提出にあたって自民党県議団からは虐待の現状について説明を求められただけだったとして、「条例案の提案までに県の執行部に意見を求められたことは一切なく、条例の改正案の内容についての説明もなかった」と述べました。 そのうえで、「埼玉県では子育てできない」などの声が寄せられたことについて、大野知事は「子育てしやすい埼玉県を施策でも打ち出してきたと自負しているので、今後も子育てしやすい県だとアピールしていく…
埼玉弁護士会の会長で、子どもの権利を守る活動や子育てに悩む保護者の支援に携わってきた尾崎康弁護士は次のように指摘しています。 尾崎康弁護士「子どもだけの登下校や短時間の留守番まで禁じて通報義務化してしまうのは、規制の対象があまりに広すぎてやりすぎだと言わざるを得ず、埼玉での子育てがやりづらくなることにつながってしまう。責任を親にすべて押しつけるような方向性は大いに疑問に思う」 埼玉県議会「子ども放置禁止」条例の波紋 留守番は虐待?反対意見相次ぐ 議論の経緯は | NHK