図星てふひと言に湧く初笑ひ 山下喜子 (p.10) 「図星」である指摘というのは互いに遠慮のない間柄だからこそできることでしょう。思いがけず本音を指摘された驚きを「そう、図星!」との一声で一同の笑いを誘うことができるのも気の置けない者の集まりだからこそ。わきあいあいとしたお正月の幸せな一風景が見事に切り取られた。 冬あたたか父の遺愛の杖借りて 矢野間稲霧 (p.11) お父上の愛用していた杖を握ればおのずと肉親との暖かい心の繋がりが感じられることでしょう。なお一層この冬の日が暖かく感じられます。 大空へ末広がりや初雀 佐久間一作 (p.12) 大空に雀の群れが扇型に広がって飛んでいく。年初め早…