今回は俺の本棚から古い一冊を引っ張り出してきた。九十九森・原作、さとう輝・劇画の『銀座柳寿司三代目 江戸前の旬』第1巻(日本文芸社/週刊漫画ゴラク '99年3〜5月分収録)。前作『銀シャリ!! 銀座・柳寿司三代目奮闘記』を1巻分連載したあとに改題した続きの巻で、タイトルロゴには「銀シャリPartⅡ」と添えられている。物語の中身は、いわば「世代交代」の一冊だ。 俺が今日書きたいのは、寿司マンガとしての職人技の描写じゃない。この巻の芯を貫いている「病気を克服した父・鱒之介が一歩下がり、二十歳の息子・旬が主役に立つ」――その静かな交代の重みだ。父が病に倒れ、後遺症で右半身が不随になるかもしれんと医者…