前回までの記事の続きです。 三菱系工作機械メーカーに勤めていた時、点検整備料の不正割増を命令する上司に、小島はこう反論したそうです。 「日本の造船業が再び世界一になればいい、と思って、私は日々、頑張っております。そのためには、我が社だけが儲かればいいのではなく、日本が真に素晴らしい船を適正な値段で造り上げなければなりません。そうすれば、自然と我が社の利益も上がっていくことでしょう」 点検整備料の話をしているのに、日本の造船業の話を始めたら、大抵の日本人は「なにを言っているんだ」という顔をするでしょう。一方、「相手の気持ちを最優先する日本と道徳を最優先する西洋」に書いたように、私の海外経験からい…