広島は路面電車の街だ。 市内には道の真ん中に柵でガードされたホームが点在する。 そんななか、ホームのない駅が一つだけ残る。 広島市中区の「小網町電停」。 草創期の面影を残す風景は鉄道ファンからも注目される。 乗客は道路の端に立って電車を待ち、電車が来たら道路の中央に渡って乗る。 車内では「ホームのない平面電停のため、段差がございます」という アナウンスが流れる。降りるのも乗るのもちょっとハードルが高い駅だ。 運行会社の広島電鉄が唯一の平面電停を残したのは、 道路幅が15メートルと狭く、ホームの設置ができなかったため。 道路が拡幅されず、古い町並みがそのまま残っていた。 1970年代には一時廃止…