彗星の尾はなぜ現れる?どこを向いている? 夜空を横切る長い尾をたなびかせた天体、彗星。その姿は古来より「ほうき星」とも呼ばれ、不吉の象徴とされた時代もありました。しかし現代の天文学では、その美しい尾の正体が科学的に解明されています。 彗星の正体:氷と塵の塊 彗星は、太陽系のはるか外縁部にあるエッジワース・カイパーベルトやオールトの雲と呼ばれる領域からやってきます。 それらの彗星は、氷(水、アンモニア、二酸化炭素など)と岩石・塵が混ざった天体で、いわば「汚れた雪玉」です。 なぜ尾が現れるのか? 彗星が太陽に接近すると、表面の氷が昇華(固体から直接気体へ変化)し始め、気体や塵を放出します。これによ…