供花はけふ秋の白さの木槿かな 山下喜子(p.10) 亡くなった方への文字通り衷心よりの悼む気持ちが白秋の白と木槿の 白い色に象徴されている。秋の白さと言えば、 芭蕉の 石山の石より白し秋の風 がすぐに思い浮かぶだろう。この芭蕉の句は小松市にある高野 山真言宗の那谷寺を詠んだものだった。 さらに、木槿の底紅は作者の亡くなった方への親愛の気持ちを表して いるようでもある。 全体として高い品位の感じられる句。人を悼む句として古典となり 得るような名句なのではないだろうか。 ベニシアさん在所に遺す紫蘇ジュース 山下喜子(p.10) ベニシアさんは亡くなられたが、イギリス貴族の出である彼女が日本文化 を…