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山海経

(読書)
せんがいきょう

中国の書籍。著者不詳。
中国最古の図書目録である『漢書』藝文志には「山海経十三篇」が既に見える。成立年代については諸説あるが、最古の部分は前三世紀(戦国時代末)に遡る可能性が高い。
中国古代の口頭伝承を集めたものと考えられる。古代の民間信仰、特に山岳信仰についての知見が得られる。奇怪な想像上の怪獣としか思えない生き物が頻出する、いわゆる眉唾の本であるが、占いや予言の記述があり、方士にとって有益な情報を提供したと考えられる。『史記』の司馬遷には「山海経に書いてあることは取り上げない」と完全に無視される。また誤字脱字が多いことでも有名。
というのが文学畑の割と通説的な意見ですが、最近では、帛書(絹に絵や文字を書いたもの、高級な書物)との書式の類似や、医書との関係なども取りざたされているとかいないとか。書物としての用途はよく分からない。抑も実用的な書物だったのかどうかも謎である。

性格

  1. 地理書として - 山々の位置関係、川の水源など。都邑についての記述は無い。
  2. 異物志として - 各地の珍しい物産や動植物の記述。しかし想像上の怪獣としか思えないものが頻出。しかも民間の習俗の記述が無いため風土志とは言えない。
  3. 祭祀の書として - 山々の神の名を挙げ、その祭りかたを記載。
  4. 卜占の書として - 「奇怪な動物の出現」などと「乱や天災」を結びつける記述。
  5. 図解の書として

主な注釈書

  • 晋 郭璞(かくはく 4世紀)
  • 清 畢沅(ひつげん 18世紀)
  • 清 郝懿行(かくいこう 19世紀)

この項を書くにあたって参考にした文献

  • 前野直彬、1975『山海経・列仙伝』(集英社、全釈漢文体系第三十三巻)
  • 高馬三良、1969『抱朴子・列仙伝・神仙伝・山海経』(平凡社、中国古典文学大系8)→独立して平凡社ライブラリーから『山海経』として出版されている。
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