岩手県出身の彫刻家・舟越保武さん。 有名な作品には、田沢湖のたつこ像、長崎の26殉教者記念像、ダミアン神父などがあります。その舟越さんの作品の一つ、聖クララ像との出会いは20代の頃。画文集「巨岩と花びら」を読んだ時です。写真の聖クララ像、特にその瞳に、引き込まれました。切れ長の澄んだ瞳、悲しそうな目をしていると思いました。その時から40年近く、いつか実物を観たいと思い続けてきたわけです。舟越さんはアッシジのフランチェコ寺院で、一人の若い修道女を見かけます。雨宿りするその人の横顔がこの世の人とは思えないほど美しく、のちに舟越さんの中でその人が聖女クララになったと書いています。ただ、おかしなことに…