久しぶりに、コンスタンス・リード『ヒルベルト 現代数学の巨峰』(彌永健一訳、岩波現代文庫学術240、岩波書店、2010/07/16)を読んでいたら、ヒルベルトが若い頃、エミール・デュ・ボア=レーモン(Emil du Bois-Reymond, 1818-1896)の本が広く読まれたという記述に出会った。 このくだり、以前はするっと読み流したところだけれど、このたびは関心の所在が違っているのか、このくだりに目が留まったのだった。 デュ・ボア=レーモンの著作のなかでも論争を巻き起こした「自然認識の限界について」「宇宙の七つの謎」は、タイトルの通り、自然についての認識に限界があるという話をしている。…