『島崎こま子の「夜明け前」―エロス愛・狂・革命』(梅本浩志著、社会評論社、2003年)という本を読む。 こま子との愛を断った藤村は、『夜明け前』の執筆へと向かう。別れたこま子は京大社研の学生たちに連帯して革命と抵抗世界へと突き進む。野間宏の描いた「京大ケルン」の悲劇的世界が、その先に展開した。知られざる資料や書簡を駆使して描いた近代日本暗黒の裏面史。 という内容だが、左翼系ライターが書いただけあって、京都で共産主義運動の弾圧への救援活動に献身したこま子の遍歴がよく調べられている。 それより今回この本を読むまで知らなかったのだが、こま子は「新生」の最後に台湾に行くことになっているが、1年くらいで…