昔、源頼光が美濃守であったころの話。 XXという村で、夜のことである。 詰所にたくさんの侍が集まって話をしたりしていた。 そのうち、ある者が、こんな話を始めた。 「この国には、渡というところに、産女というお産に失敗して死んだ女の霊がいる。夜になって、そこを渡ろうとすると、産女が子供を泣かせて、「この子を抱っこしてください」と言ってくる。」 お調子者の別の者が、 「じゃあ、今からその心霊スポット、行ってみようぜ」 などと言う。 平季武、「俺なら、今すぐでもわたってやるよ」 他の仲間たちは、「いくら一騎当千の平さまでもそこは渡れないですよぉ」 と、これはけしかけているのだ。 平季武、「そんなの余裕…