訓読 >>> 3937草枕(くさまくら)旅(たび)去(い)にし君が帰り来(こ)む月日を知らむすべの知らなく 3938かくのみや我(あ)が恋ひ居(を)らむぬばたまの夜(よる)の紐(ひも)だに解(と)き放(さ)けずして 3939里近く君が業(な)りなば恋ひめやともとな思ひし我(あ)れぞ悔(くや)しき 3940万代(よろづよ)に心は解けて我が背子(せこ)が捻(つ)みし手見つつ忍(しの)びかねつも 3941うぐひすの鳴くくら谷にうちはめて焼けは死ぬとも君をし待たむ 3942松の花(はな)花数(はなかず)にしも我(わ)が背子(せこ)が思へらなくにもとな咲きつつ 要旨 >>> 〈3937〉(越中に)旅立っ…