清の康煕帝(こうきてい)の命令で作られた字典。1716年に完成。総字数4万9,000余字。 字音・字義と、古典における用例が分かるようになっている。ちなみに熟語は載せていない。 5年という比較的短い期間で作成されたためミスも多く、清の時代に王引之によって2,588条の誤りを訂正した字典考証がつくられた。
「鬼滅の刃」にずらずら出てくる難しい漢字。漢字に強い中華圏のアニオタさん達なら全部知ってるんでしょうね~。 ところがそうでもないんだな、これが。 「何だこの文字は!」 「これ何て読むの?」 「どういう意味?」 と中華圏で話題になっている漢字について書いてみました。 ※文中の表の意味については、 文末 をご参照ください。 その1 吾峠呼世晴先生の「峠」(とうげ) その2 竈門炭治郎、禰󠄀豆子、竈門家の「竈」(かまど) その3 竈門禰󠄀豆子の「禰󠄀」(ね) その4 錆兎の「錆」(さび) その5 鬼舞辻無惨の「辻」(つじ) その6 水の呼吸 拾壱ノ型・凪の「凪」(なぎ) その7 鎹鴉の「鎹」(かすが…
北斗七星と季節。北京天文館のウエッブページより。云看展 - 云看展 | 北斗七星那些事儿 中国では非常に古い時代、日没時の北斗七星の柄(斗柄、斗杓)の向きで季節を判断したらしいです*1公転の影響で、地球から見た太陽と恒星の相対的な位置は日々少しずつ変化し、一年で元に戻ります。この過程で太陽は右回りに、恒星は左回りに回ります。*2よって毎日日暮れどきに観測すると、北斗の柄の向きが図のように左周りに回転するわけです*3。かつての中国では、北斗七星は一年中沈むことなく見えていたそうです*4。その様子はあたかも時計の針のようで、非常に印象的で、わかり易かったでしょう。ただ、「日暮れどき」とか「柄の方向…
名前というのは大切であり、洋の東西を問わず相手の名前を直接呼ぶことは不敬とみなされる文化がある。 例えば日本では、天皇皇后(や上皇上皇后)を「陛下」、皇太子皇太子妃をはじめとするそのほかの皇族を「殿下」と呼ぶが、これはそれぞれ相手を直接呼ぶことを避け、間に入って取り次ぎをする人がいる場所である陛下(階段の下)や殿下(殿舎の下)で呼称を代えたことが起源と言われている。歴史ドラマの中では主君を「殿」や「御屋形様」、その妻を「北の方」「奥方」と呼ぶのも、相手の名前を直接呼ばず、その人がいる場所で読んだことが由来である*1。他人の妻の敬称である「奥さん」も同じ由来だ。 海外でも、例えばイギリスでは国王…
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漢字は、遣隋使か誰かは分かりませんが、中国から持ち帰った文化の一つで、それは今から1300年ほど前なのでしょう。当時、輸入した漢字の楷書を伝統的楷書と言います。書家が、忠実に伝え守っている楷書です。 一番多く目にしやすいのが、神社の名前の神宮の「宮」の字です。他には、例えば、人名では、高いの「高」。梯子の高と言うように、口ではなく、目のようになっている「高」です。本来「高」は、高い建物の象形文字です。ですから、字は連続してつながっているべきですね。 この伝統的楷書は、清朝の康熙帝の編纂した康煕字典によって歪められます。同様に日本の伝統的楷書も、康煕字典を範として編まれた漢和辞典によって、歪めら…
近くに来たので、消滅してしまっていないか気になり、立ち寄ってみた。 どこにあったっけ? ほぼ2年振りなので、あった場所を忘れていて、少し探してしまった。 発見日 2021年2月22日(再訪日2023年4月3日) 発見場所 東京都北区上十条二丁目 あった。 無事だった。 よかった! これは町会員プレートと兼ねているようだ。 歴史 1932年(昭和7年)10月1日北豊島郡全域が東京市に編入。王子町、岩淵町の区域に王子区を設置。 1943年(昭和18年)7月1日東京都制が施行され、東京市と東京府が廃止され、東京都を設置。 1947年(昭和22年)3月15日特別区への移行のため、王子区及び滝野川区の区…
間違いやすい字として、ある人は「『盡』の上部は『聿(いつ)』である、『(じゅん)』の中は『王』である」などと『説文解字』を引いて論じる。 また、不折は古碑や古い法帖の文字などを提示して、「」「內」「吉」などが、必ずしも「入」や「士」であるとは限らない、と説明する。 こういった専門的な攻撃に遭っては、私のように『康煕字典』なんかを頼りにしているシロウトには、それが正しいのかどうかの判断すらもできないので、もうヘタに口出ししないほうがよさそうだ。 なので、誤字について書きたいこともあるにはあるけれど、なんとなくコワくなってきたので、もう知ったかぶりの学者気取りみたいな事は、一切やめます。 漢字の研…
間違いやすい字を以下に列挙。 「段」「鍛」は「たん」の音であり、「假」「蝦」「鰕」「霞」「遐」は「か」の音である。「段」と「叚」は扁もつくりも違うのだが、混同するものが多い。 「蒹」「葭」は「あし」または「よし」の類である。「葭簀張(よしずばり)」の「葭」も同じ字である。だが、近頃は「葮」の字を誤用するものがいる。こちらは字引には「むくげ」と書いてあるが、「よし」ではないのは確かである。 「おき」は「沖」である。だが、近頃は二水の「冲」の字を使うものが多い。どちらも「深い水」といった意味が無いわけではない。だが、わが国では「おき」として使うのは、字の意味からではなく、むしろ「水の真ん中」といっ…
ぼくは「現代仮名遣い」と「常用漢字」に基づく表記法にはしたがってゐません。なぜなら敗戦直後におこなわれた国語改革は誤りであり、これを批判的に問い直す必要があると考えるからです。この考えは次のような認識にもとづきます。 日本は敗戦処理に失敗した。 ぼくの理解では、残された敗戦処理の問題は、①片面講和(アジアとの和解)、②日米同盟(安保、沖縄)、③国家神道(天皇制、信仰)である。大日本帝国の解体と新日本国の形成が冷戦構造におけるアメリカの世界戦略に適合するかたち(防共の砦)で行われたことによる負の遺産といえる。 ソ連が崩壊し昭和が終ったときがこの問題に取り組むべきタイミングだった。平成30年間にい…
国会図書館デジタルコレクションの全文検索大好き勢に言っておくッ! おれは今 やつのスタンドを ほんのちょっぴりだが 体験した い…いや… 体験したというよりは まったく理解を 超えていたのだが……あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!「おれは NDL全文検索で誤認識の可能性を10%未満含み得る文字列の検索をしていたと 思ったら いつのまにか妄想テキストで穴埋めされた検索結果が返されていた」な… 何を言っているのか わからねーと思うが おれも 何をされたのか わからなかった… 頭がどうにかなりそうだった… 文字単位の誤認識だとかレイアウト認識の勘違いだとか そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ…
【まだ書きかえます。いつどこを書きかえたかをかならずしも明示しません。】 - 1 - 漢字は、全部でいくつあるのか、はっきりしない。それはおもに、同じ字というべきか、ちがう字というべきかがわからないことがよくあるからだ。たとえば、自分のみょうじにふくまれた字が、「高」ではなく、いわゆる「はしご高」であるという人がいる。「崎」ではなく「立」がふくまれた字だと言う人がいる。わたしは、そのような区別をなるべくしたくない。本人からぜひ区別してほしいとたのまれたときにはすることがあるけれども、そうでなければ、「高」「崎」とかいてしまう。さまざまな文書をディジタル化してあつかう際に、字体がちがうかぎりはな…
前回「日本活字工業株式会社の社史を私製してみようと思い立ったのだけれども」という記事で追いかけてみた、大阪活字鋳造株式会社と中原繁之助の周辺をNDL全文検索で拾い出してみて解ったことから、今回追加したい情報の起点となる2つを抜き出しておきます。まずは『官報』で追ってみた大阪活字鋳造の登記情報から、設立登記。 1928昭和3年12月23日、大阪活字鋳造株式会社設立(「本店 大阪市南区鰻谷仲之町三十九番地」「目的 印刷機及活版附属品ノ販売」「取締役 岡本省三 渡部醇 青木義則 中原繁之助」「会社ヲ代表スヘキ取締役 中原繁之助」「監査役 木村千幹」1929年3月6日付『官報』145頁3段目〈http…
ちょっと検索すれば、何万もの漢字を表示できるソフトウェアや、異体字を網羅的に集めたウェブサイトを見つけることができる。国境を越えた文字コードの統一規格である Unicode は世界中の文字を吸収すべく拡張を続けてゐる。 この文章を書いてゐるパソコンの OS は Unicode に対応してゐるので、手間さへ惜しまなければほとんどあらゆる漢字を表示することができる。でもその漢字をどうつかったらよいかは教えてくれない。 ぼくが知りたいのはそれである。どの字体が正しいのか、ある語を表記するのにどの漢字をつかうのが好ましいか、あるいは妥当であるか。合理的で説得力のある規範がほしい。戦後の漢字政策を前提に…