江戸時代末期(19世紀後半)の薩摩藩の家老に小松清廉(こまつきよかど)がいる。「小松帯刀(たてわき)」という通称のほうでよく知られていることだろう。この小松清廉(小松帯刀)は小松氏の29代当主である。 「29代」ということは、……単純計算で「4代で100年」と考えると700年くらい。つまり、ものすごく古い家柄なのだ。実際に初代は12世紀~13世紀の人物だ。 小松氏はもともとは禰寝(ねじめ)氏を称した。初代は禰寝清重(ねじめきよしげ)という。「建部清重(たけべのきよしげ)」「平清重(たいらのきよしげ)」と呼ばれたりもする。 禰寝氏は南九州の歴史においてちょくちょく登場し、なかなかに存在感のある一…