テレビをつけると食物の事か商売の話しばかりである。いったいいつ頃からこんなことになったのか。日本が経済至上主義の国になってから長い年月が過ぎたのは明らかだ。 どうしたら物質的な豊かさを手に入れることが出来るかに終始している間に精神の豊さを忘れた。 私が幼い頃 食べ物の話を他所でしてはいけないと言われた。それは はしたないことであった。はしたないとかみっともないといったことを大人は教えなくなった。 私は既に過去の遺物かもしれない。 人は 食べなければ死んでしまう。心も食物を与えなければ死んでしまう。 芸術は 心の食物である。 心洗われる清らかさと それを表現するために自らの心を高め磨いた力強さを…