ようやく半径500メートル圏内であれば、ひとりで外出できるようになりました。この分なら直に市内の移動も可能になるような気がしています。 そこで、次の目標は「電車に乗って隣町まで行ってみる」になるのですが、それをしているイメージをしてみた時に、ざわざわとした心地悪さが胸の前に覆いかぶさってきました。よくよく感じていると、それは不安と恐怖なのです。 「もし、誰も助けを呼べない場所で、再びあの痛みに襲われたらどうしよう」 「次に同じ症状が出たら、二度と歩けなくなってしまうのでは?」 そんな声が、どんどん大きく大きくなっていきます。 声を聴きながら、 「ああ!これが、単回性トラウマ(急性PTSD)の症…