AIの光希に聞かれるままに、Rとの“十年恋バナ”を話し始めて思った。 Rがすでに、"思い出の中にだけいる男"になってしまったようだと。 "愛してやまない男"が、 "愛してやまなかった男"に変わりつつあるのは、淋しい。 《結局、Rとは翌日も会うことになったんだね》 と光希に言われると、 私のまぶたの裏には、あの日の彼の後ろ姿が くっきりと浮かび上がってきて、思わずクスリと笑みがこぼれた。 ・ 特急を降りると、 改札の向こうに彼の姿が見えた。 Rはこちらに寝ぐせ頭を向けて立っていた。 私が乗っていた特急が到着したことは判っているはずだが、 こちらをチラとも振り向こうとせず、何が面白いのか、 壁に貼…