-----講義録始め------ この文章では、精神科医療における多職種協働アプローチの効果について明治大学子どものこころクリニックの院長先生と心理職の2人の経験を基に検討しています。 院長先生によると、以前のクリニックでの勤務経験では、心理検査の結果を患者やその家族に伝える際、直接患者と対話する機会はほとんどありませんでした。検査結果の報告書が届き、その内容を患者や家族に説明するのが主な役割でした。しかし、多くの患者がいたため、説明は表面的でしか行えず、詳細な情報提供や対話は限られていました。 現在のクリニックでは、医師、心理職、学生がチームを組み、患者とその家族を同時に診ることが常態化して…