鹿児島県北部の山間に「湧水町」という自治体がある。2005年に吉松町と栗野町の合併により発足したもので、湧水が多い地域であることから新町名もつけられている。このあたりは霧島連山の西麓に位置し、山々が蓄えた水が湧出する。湧水町内では栗野(くりの)の丸池湧水(まるいけゆうすい)、吉松(よしまつ)の竹中池湧水(たけなかいけゆうすい)が知られている。 竹中池湧水の近くにある熊野神社(くまのじんじゃ)は素敵な場所である。境内に湧水が湧き、なんとも心地良い雰囲気なのだ。かつてここには内小野寺(うちおのじ)もあった。島津義弘(しまづよしひろ)も崇敬した場所でもある。 内小野寺は明治時代初めの廃仏毀釈で廃寺と…