ーーーー講義録始めーーーー 次に、飛沫核感染について説明します。飛沫核感染とは、感染性病原体を含む飛沫核を介して病原体が拡散し、他者に感染する現象を指します。 飛沫核に付着している病原体は、体外に出た後も長時間感染性を維持することがあります。「飛沫核」とは、飛沫中の水分が空気中で蒸発し、直径5マイクロメートル以下の微小な粒子となったものを指します。このような飛沫核は、感染性を保ったまま空中に長期間浮遊し、数メートル以上の距離を移動して、上下気道を介し他人に感染させます。 改めて申し上げると、感染者から排出された飛沫が水分の蒸発により形成された微小な残留物、すなわち飛沫核の吸入により感染が成立し…