「お供え物のお餅を食べましょう」 そう言ってママが食事の準備に入る。 僕はお餅が大好き。 だけどなぜか我が家では 決まって食べるのはこの時期だけだ。 「さあ。お餅を持ってきて。」 僕は足早に飾ってあった場所に向かう。 パンパンと手を合わせ 「ありがとうございました。」とお餅を取る。 お雑煮かな?焼くのかな? なんて想像しながらママに届ける。 手にはハンマーみたいなものを持っている。 (ママ・・・ちょっと怖い。) 「鏡餅はね、包丁で切ってはいけないのよ。」 「じゃあそれで割るの?」 「割るって言っちゃダメ。お餅は開くって言うの。」 「なんで?」 「良いことが起きますようにって 良い道を開いてもら…