「もっと自由になりたいなあ」 そんな言葉を、何気なく口にしたことはないでしょうか。仕事、家庭、人間関係、社会のルール。 あらゆるものに縛られて、やりたいことを我慢して、気を使って、気を張って生きていると、「自由」という言葉がまるで宝物のように感じてくるものです。 けれど、介護士として日々高齢者と接していると、「自由」というものの正体が、少しずつ違って見えてきます。 私は老人ホームで働いています。入居されている方の多くは、身体に何らかの不自由を抱え、誰かの手を借りなければ生活が成り立ちません。 歩くことも、食べることも、排泄することも、全部一人では難しい。その現実の中で、日々を過ごしておられます…