「上手いとか綺麗とかそれだけじゃなくて」「自分がこれがいいと思える絵が描きたい」 美術高校に通う秀才・レンジは常に誰かに評価される絵を描き続けていた。ある日、放課後の美術倉庫室で異形の才能を持つナオミとレンジは出会ってしまう。「おまえは誰かに褒められるための絵しか描かない」と同級生から指摘され、言い返すことができなかったレンジは、誰に見せるでもない奇想天外で自由奔放な創作を繰り広げるナオミに問いかける。 「林原さんは、なんで絵を描くん?」 鬼才・林原ナオミは即答する。 「好きやから」 「創作の為ならなにを捧げたって怖くない」 「命同等の価値が私にはある」 「それだけ分かってれば、あとはなんも要…