心は高く、眼は低く――。いつの機会だったか、お坊さまから伺った言葉だ。 『江古田文学』最新号を、一般販売に先んじてお届けいただいた。今号はお若い書き手による作品の特集号だ。意欲的な学生作家の小説や詩や評論が投稿されてある。卒業式の日に優秀卒業作品として表彰された作品も並ぶ。大学院生の修士論文も掲載されてある。卒業後も研鑽を続けている若手 OB たちの作品が盛り沢山だ。 日本大学藝術学部文芸学科の肝煎りによる文学雑誌ならではの、教育・普及の側面をもった特集号だ。将来を目論む受験生にとっては、このていど書ければ日芸の学生と認められるという目安でもある。 なん十年も前に前進も上達も停めてしまった私ご…