垣根涼介『ワイルド・ソウル』(幻冬舎、2005年)は、まずは、戦後のブラジルへの移民政策を問い返すという観点でお読みいただきたいのですが、もう一方で、ブラジル人気質というか、そういうものにも触れていただければ、と思います。 特にケイをとおしてのブラジル人の描写、素敵なところがたくさんあります。 ときにはクスリとさせられ、またときには、涙が出るくらい懐かしさがこみあげてきます。 ケイは本当に、私の出会ったブラジル人の典型だと思います。 例えば。 「 ある種のブラジル人は、よい意味でも悪い意味でも自分を他人との区別をつけない。特に北部アマゾン人(ひと)にはその傾向が強い。金持ちの友達がいれば平気な…