天野忠「動物園の珍しい動物」わたしは死ぬときはあーあというであろうあんまりなんにもしなかったのではずかしそうにあーあというであろう。 存在の実相 デリダの存在感意味の深みへ 井筒俊彦 P.123己れ自らと異なり、己れ自身から繰り延べられたものには、「始原(アルケー)」も、「窮極(テロス)」もない。こうして、自らの真の始まりも知らず、自らの終局目標も持たず、己れ自らと「相移」・「相異」する無数のものがまた互いに「相移」・「相異」しつつ、刻々に流れていく。それが存在の実相だ。 存在を考えることは、死を考えることに似ている。人は自身に与えられたもっとも自身を出しやすい形態にて、それをなんらかのかたち…