マーク・グリーニー『暗殺者の矜持(上下)』ハヤカワ文庫NVを読了。 相変わらず面白いのだけれど、スケールが大きくなりすぎてクライブ・カッスラーの「ダーク・ピットシリーズ」みたいになってきてしまった。この「暗殺者シリーズ」に求めているのは、世界を救うスーパーヒーローの物語ではないのだけれど。なにしろ、今回はAI関連の専門家が世界中で次々と暗殺されて、それに巻き込まれたジェントリーがAIがコントロールするロボット軍団と死闘を繰り広げるという物語なのである。いやいや、そういう物語はダーク・ピットに任せておけばいいじゃん。 しかも、スケールが大きくなると同時に、主人公の描写が実に薄っぺらくなってきて、…