年齢のせいでしょうか死に対する距離をさほど、遠くなく、自然に思い入れたいーそんな風に感じています。死に対し、個人としてはもっと強い感情を持たなくてはいけない、それが当然で、生の続きとすることは何かおかしいと、判断されかねないかもしれません。 そんなことを考えていて、一昨年のノーベル文学賞受賞者のノルウェー人のヨン・フォッセ著『朝と夕』(伊達朱美訳 国書刊行会)を読んでみました。 www.kokusho.co.jp テーマは主人公、漁師ヨハネスの誕生と死についてなのですが、およそ死がメインテーマであるように自分には考えられました。北欧の聖書に基づく深い物語に引き込まれました。作者の個人個人の霊性…