日本の労働組合の将来あるべき姿とは『労働組合とは何か』(木下武男著/岩波新書) 私たち労働組合は、日々さまざまな職場の労働条件を維持向上するために活動をしています。木下武男著『労働組合とは何か』は、そんな労働組合の生まれる前の原風景、黎明期からどのように発展、もしくは衰退し、今日の姿に至るかの歴史を解説し、現在、日本の労働運動が抱えている課題と可能性について論じた1冊です。 ■労働運動の歩み 労働組合の遠祖としてギルドが挙げられます。ギルドとは中世ヨーロッパの職人などで組織された職業別組合で、排他的・特権的な性質を持っていました。そのギルドが時代とともに変容し、初期の労働組合となります。初期の…