図書館は小学生のころから好きな場所だ。 本屋さんのように新品の匂いは無いけれど、大きな図書館には棚に並んだ膨大な量の本に包まれるのは宝探しのような気分になる。 自分の必ず行くセクションとは別に全く通らない棚にも思わぬ出会いがある。 そういえば半世紀近く前、近所の古い図書館は天井の高い倉庫のような場所に天井に届くくらい高い本棚があり、可動式の梯子が棚に設置されていた。 一人、暗くヒッソリとした本棚の谷間にいると後ろを振り向きたくなる。 禁帯出の大型本の画集や写真集を見るのが好きで本を抱えながらページをめくると腕が筋肉痛になったっけ。 お父さんが警察の鑑識だったクラスメイトと一緒に図書館に行った時…