東本願寺は江戸時代に4度の火災に遭って焼失し、その都度全国の門徒の力で再建された。現在の建物は明治28年に完成したが、二度と火災焼失を起こさないようにとある防火設備が施された。完成したばかりの琵琶湖疏水(日本で最初の水力発電や市街電車を走らせて京都の近代化に大きく貢献した)の水を東本願寺まで引いて火災に備えた。琵琶湖疏水と同じく田邉朔郎の設計による当時の最新の技術が用いられた大事業であった。 琵琶湖と東本願寺との高低差52.8mを利用して、自然水圧により御影堂の屋根まで水が噴きあがるという、なんとも壮大な防火設備である。 <この噴水も本願寺水道を利用していた> 蹴上で一旦貯水し、その後専用の水…