―その1832― ●歌は、「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」である。 松山市梅田町 松山梅田町郵便局万葉歌碑(額田王) ●歌碑は、松山市梅田町 松山梅田町郵便局にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「額田王歌」<額田王が歌>である。 ◆熟田津尓 船乗世武登 月待者 潮毛可奈比沼 今者許藝乞菜 (額田王 巻一 八) ≪書き下し≫熟田津(にきたつ)に船(ふな)乗(の)りせむと月待てば潮(しほ)もかなひぬ今は漕ぎ出(い)でな (訳)熟田津から船出をしようと月の出を待っていると、待ち望んでいたとおり、月も出(で)、潮の流れもちょうどよい具合になった。さあ、今こそ漕(こ)ぎ出そう…