「柳田国男の青春」 表紙 柳田国男の青春 岡谷公二 著 筑摩書房 発行 1991年2月28日 初版第1刷発行 柳田国男の幼少期から、39歳で「郷土研究」を発行し、民俗学の道に決定的に歩み寄るまでの様々な出来事や出会いを述べた好著です。 第1章 二つの故郷 辻川と布川 辻川から北条に移った時、長兄の夫婦別れ、次兄俊二の病死、先祖伝来の家屋敷の売却、神経衰弱の父、貧窮と、飢饉。 この時期は暗い材料ばかりが多い。p10 辻川と布川に住んだおかげで、関西と関東の農村を共に知ることが出来た。 その土地柄も、気風も、風俗習慣も、言葉も全く対照的だった。 一方共通点としては、ともに川に沿い、交通の要衝だった…