そうして わたしは歩き出す 明日に向かってではない わたしに明日はない なにか知らないものに 向かって わたしはどこを見ればいいのかも わからない わたしの眼は役目を失なって いるだろう 見えていても何も見えてはいない わたしの不確かな足取り それでも わたしは歩き出す 何故だかは分からない それはわたしが 何故だか分からないが この世に生まれてきたような ものだろう わたしの先に何が待っているのか 何も待っていないのか いや 誰かに待っていてほしい わたしの知っている人 いや わたしの知らない人 わたしの失くしたもの いや わたしが初めから持っていなかったもの わたしが存在することすら 知ら…