遠い夏の日の図書館を 思い出す 蒸し暑い室内で 二人で勉強した後 涼しくなった夕方 図書館の周りの林を散策した 私にはあの夏の日がまだ 何処かに存在しているような 気がするのだ あなたと過ごした あの夏の午後や夕方が もう存在していない 消えてしまったなどと いうことがあるのだろうか? いつまでも続くと思えた夏の夕方に 木々の間をゆっくりと薄青い空の下を あなたと静かに語らいながら歩いた いつまでも終わらない夏の夕方が きっと何処かにあるはずだと そう私には思える そして私はそこであなたが 微笑みながら 私に囁いているのを聞いている たぶん間違ってしまったのは あの夏の日ではなく 今ここにいる…