1881年(明治14)〜1949年(昭和24)。本名、森田米松。小説家。岐阜県生まれ。東京帝国大学英文科卒。夏目漱石に師事し、安部能成、小宮豊隆、鈴木三重吉とともに漱石門下の四天王に数えられる。『煤煙』で世に出る。のち、翻訳に転じ、ドストエフスキー、ゴーゴリなどを日本に紹介した。
< 元始 女性は実に太陽であった 真正の人であった 今 女性は月である 他に依って生き 他の光によって輝く 病人のような蒼白い顔の月である > イギリスで始まった「ブルーストッキングサークル」っていう集まりがフェミニズム運動の原点、らしいですね。単に「ブルーストッキング」って言えば、知的で文学的な女性っていう意味。 日本では「青鞜(せいとう)」って言って、平塚らいてうが1911年、明治44年に発刊した女性解放運動雑誌の名前として知られています。 青鞜 イコール ブルーストッキング。 上にあげたのが、その発刊の辞の最初の部分です。めっちゃシリアス。気合入ってます。 でもですね「鞜」っていう字は「…
・ マレー戦記 越智春海 昭和48年 図書出版社 ¥1,000 ・ 国語問題論争史 福田恒存 著 昭和31年 新潮社 ¥1,800 ・ 往生要集 : 地獄極楽六道 惠心僧都著 平成8年 永田文晶堂 ¥800 ・ さとりへの遍歴 : 華厳経入法界品 上 <華厳経> 丹治昭義 ほか訳 1994年 中央公論社 ¥5,000 ・ 大航海 No.68 特集 1980年代 2008年 新書館 ¥1,000 ・ ローズマリーの赤ちゃん <ハヤカワNV文庫> アイラ・レヴィン 著 ; 高橋泰邦 訳 昭和47年 早川書房 ¥800 ・ 法華経現代語訳 上中下 <レグルス文庫 法華経 34.35.36> 三枝充悳…
筆者は、日本共産党が喉から手が出るほど欲しい学生党員であったが、入党以前から諸般の問題とそれに対する党や党員の姿勢に、時に激しい反発をするほどの違和感を抱いていた。まあ、我慢していようかと思っていたが、神谷貴行さんが不当に除籍されたことが一つの契機となり、離党することを決心した。はじめに述べておくが、党の対応の悪さはファクターではあるが、自分自身の生き方の選択として離党したというのが本質なのかもしれない。 以下、離党の弁と少しばかりの党への提案を述べる。なお、表題は森田草平「共産党に入るの弁」をモジったものである(言いたかっただけ)。以下、敬称略で失礼します。 離党の弁 入ったから離れ、食べた…
ドストエフスキーが亡くなったのは1881年。その時から、日本人はドストエフスキーに関心を寄せていた。とはいえ、幕末から明治初期の日本人はおもに英語のテキストを読んでいて、ロシア語に関心を持つものはほとんどいなかった。にもかかわらずなぜ関心をもったかというと、ドスト氏没後のころには英訳が出ていたので、それを読んだのだった。ロシア語を学ぶ者がでてくると、ドスト氏の小説を読んで震撼させられるものがでてくる。それ以来、日本人はドストエフスキーに関心を寄せ続けた。他国はトルストイに注目していたのと大きく異なる。なぜ、日本人はドストエフスキー好きなのか。 そこで本書は日本のドストエフスキーブームを取り上げ…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 1597年から1598年に執筆されたと言われる本作『ウィンザーの陽気な女房たち』は、題名どおりにシェイクスピア作品のなかでも頭抜けて陽気な感情で観る(読む)ことができる演劇です。諸説ありますが一説に、シェイクスピアの劇団を支援する宮内大臣であるジョージ・ケアリー男爵がガーター勲章を授かり、それを祝う騎士団の祝宴で喜劇を披露することになったため、シェイクスピアが約二週間で書き上げたものだと言われています。この説に付随して、『ヘンリー四世』を観劇したエリザベス女王が、登場人物フォールスタッフが色欲に溺れる姿を観たいと望んだため、このような題材とな…
小島信夫の『私の作家評伝』が再度文庫化した。潮文庫版を十数年積んでいる内に新版が出てしまった。これを機に扱われている作家のうちいくつか積んでる本を読んでから読もうと思った、ので、ざっと。 田山花袋『田舎教師』 島崎藤村『春』 徳田秋声『あらくれ』 宇野浩二『苦の世界』 泉鏡花『外科室・天守物語』 小島信夫『私の作家評伝』 田山花袋『田舎教師』 田舎教師 (新潮文庫)作者:花袋, 田山新潮社Amazon明治30年代、埼玉県の弥勒で小学校教師になった主人公が、文学や立身出世に焦り田舎を軽視していたものの次第にその土地の生活、人々、植物などに関心を持ち心を入れ替えたものの病に倒れ、日露戦争の祝勝気分…
『近代作家追悼文集成[25]寺田寅彦』(ゆまに書房平成四年)に収める鈴木三重吉「寺田さんの作篇」に、ある日夏目先生のところへ伺うと、先生は「今寺田が帰つたところだがね、僕がアインシュタインの原理といふのは大体どういふことかねと聞いたら、それは話したつて先生には分らないな。と言つたよ」と苦笑されたとあった。 あっけらかんとした人間関係であり、安倍能成が、漱石門下での寺田寅彦の扱いは「お客分格」で、夏目先生は若い者たちの美点と長所とを認められたけれども、寺田さんに対する尊敬は別であったと述べているのはこうしたところにも現れているようだ。 鈴木三重吉は寅彦の人間像について、われわれの周囲の、すべての…
『土田杏村全集』第十五巻所収の四十四年という短い「土田杏村年譜」をたどってみると、昭和二年に入って、『日本児童文庫』に関する言及を見出せる。それを順に追ってみる。 (『日本児童文庫』) 二月/アルス『児童文庫』の案を立てる。 三月/この頃『児童文庫』に関する用事多し。 五月/『児童文庫』の少年少女大会岡崎公会堂で開催。講師白秋氏、未明氏、草平氏。 八月/『源平盛衰記物語』(アルス児童文庫の一冊)執筆にかかる。 九月/『盛衰記』七月に書き終る。本文四百二十三枚。巻末文十四枚。 十一月/児童文庫の『源平盛衰記物語』出来。 これを読んで、あらためて杏村も『児童文庫』の著者の一人であり、彼の昭和二年の…
3月19日誕生日の全国35万人の皆さん、おめでとうございます (拙句) しだれ梅しだれ桜と継ぐうれしさ 雅舟 【花】シダレザクラ(バラ科) 【花言葉】 優美 【短歌】朝に匂い昼にたゆたい夕べには優しく佇てりシダレザクラよ 天から降り注ぐような樹齢数百年のシダレザクラを見たことがあります。朝は春の香りを漂わせ、昼間は柔らかな風にゆられ、夜には明かりに優美な姿を現しました。 【季語】 枝垂れ桜(糸桜・滝桜) 【俳句】 まさをなる空よりしだれざくらかな 富安 風生 樹の洞に千年の闇たきざくら 野澤 節子 糸桜雲のごとくにしだれたる 下村 梅子 【三行詩】 しだれ(枝垂れ)うめ(烏梅)・さくら(作楽)…
「デカメロン,」1,ボッカチオ,作,森田草平,訳, 朗読,イサナ https://youtu.be/dYPUpuzi0bc?t=149
チリの赤ワイン「コルディエラ・カベルネ・ソーヴィニヨン・レゼルヴァ・エスペシャル(CORDILLERA CABERNET SAUVIGNON RESERVA ESPECIAL)2020」 (写真はこのあと牛サーロインステーキ) スペインのバルセロナ近郊、ペネデス地方でワインづくりを行っているトーレスが、チリで手がけるワイナリー、ミゲル・トーレス・チリの赤ワイン。 「コルディエラ」とはスペイン語で山脈を意味し、ブドウはチリのサンティアゴから30km南に下ったアンデス山脈のふもと、マイポ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨン100%。 スパイシーでエレガントな味わいのワイン。 ワインの友で観たのは、…
六本木の「MetaMoji」本社でミーティング。 浮川和宣社長、初子専務、開発担当者らとの打ち合わせを2時間。このお二人は、日本語ワープロ「一太郎」を開発したジャストシステムの創業で有名な夫婦だ。以前、「図解マスター」というソフト開発のお手伝いをしたことがある。 その後、料理屋「橘」で絶品の創作和食と日本各地の銘酒を堪能しながら、話が弾んだ。画期的なプロジェクトが始動する。 「一煎」「先付」「向付」「椀盛」「造り」「八寸」「焼物」「温物」「食事「甘味」「薄茶」。 ーーーーーーーーーー 「名言との対話」12月14日。森田草平「自分は永遠に漱石の弟子であり、自分自身は一生、師と呼ばれるような人間に…
1941年12月8日に真珠湾攻撃。その3年8か月後の1945年8月15日にポツダム宣言受諾の詔書がラジオで全国民に向けて昭和天皇の肉声で発表された。 「朕は帝国政府をして米英支蘇四国に対し其の共同宣言を受諾する旨通告せしめたり」。 8月15日は敗戦の日である。その日の日記に日本人は何を書いたか。永六輔監修『八月十五日の日記』(講談社)はそれを追った本。読了。 三好十郎「ただ泣いた。何も考へられず」。芦田均「私は危うく泣出さむとして声を飲んだ」。海野十三「いっさい決まる。恐懼の至り也。ただ無念」。折口信夫「戦ひに果てしわが子も聴けと思ふかなしき御詔に涕かみたり」。峠三吉「ただ情けなく口惜しき思い…
百間外伝 第10話 「法政騒動」敗者、森田草平の戦時下 近代史研究家 山本一生よくわからない、、、。 stoica.jp
392.『道草』先行作品(7)――『思い出す事など』 漱石は旅行記に向かない作家である、と前の項(本ブログ道草篇16)で述べたが、(12月1月問題という)季節の連想でいえば、これは漱石の文学的出発点が俳句にあることと関係していよう。俳句は説明を嫌う。俳句は(本ブログ道草篇6でも引用した寺田寅彦へのレクチュアによると)扇の要(集注点)を書くものである。百何十度だかに開いた扇の扇たる部分は、読者に想像させる。想像させないまでも、その広がった部分はわざと書かない(詠まない)。 それが漱石(に限らないが)の小説のリズムを生む。吾輩に名前が付かない理由を書かない。坊っちゃんの無鉄砲が父親譲りなのか母親譲…