村井良介著『戦国大名論 暴力と法と権力』(講談社選書メチエ、2015年)読了。 戦国時代における暴力と法といった権力論の課題から、戦国大名という規定やその特質を明らかにする1冊。 村井良介著『戦国大名論 暴力と法と権力』(講談社選書メチエ) 概要と感想 本書の序盤では、戦国大名や戦国領主(国衆とも)と呼ばれる領主権力に関して、どちらも独自の「家中」と「領」を持つ存在であり、戦国領主が戦国大名と同格の存在であり、両者の関係が戦国期の権力構造や支配体制の特質を考える上で、重要な論点としている。次に戦国大名の支配体制の成り立ちについて分析する際には、暴力のよる支配と正当性を帯びた法的・公的な支配の二…