Twitterを見ていたら「幸せな恋愛小説を教えてください」という呟きが目に入ったので、ぼんやりと考えてみたところ、西加奈子『きいろいゾウ』橋本紡『ひかりをすくう』岩井俊二『ラヴレター』が浮かんできた。 でもよく考えるとそのどれもが「幸せな恋愛小説」からはズレている…。 その人は例えとして有川浩作品を挙げていたから、たぶん私が思いついた小説ではご満足いただけないだろう。 有川浩作品はなんというか甘い。その甘さが良さだしそこが「幸せな恋愛小説」たる所以なんだろうけど、それだけでは心もとないというか不安になる。 もうちょっと苦味が欲しい。 苦々しさという重みがないと甘みに浸れず、甘々しいだけではふ…